ー備忘録(雑記)ー

『埴輪の始まり』若狭徹さん著「埴輪は語る」を読んで(その1)

2022年7月27日

先日、こちらの本を買いました。

若狭徹さん著「埴輪は語る」という、ちくま新書から出ている本です。

いままで、古墳に関する本(チラッと埴輪が出てくるくらいの本)や、前方後円墳に関する本などを読んできました。

アマゾンでいい本ないかな~なんて、チラホラ検索して見ていると、いきなり目に飛び込んできた「埴輪は語る」の本。

アマゾンでの評価も高く(とりあえず信用した)、新書なので、お値段も高くないと思い、即買い。

家に本が届き、さっそく読んでいると、あわわわわ・・・自分の無知さが、わんさか、思い知らされました。

私が、古墳巡りを始めた2020年、よし!古墳巡りを趣味にしようと思って、いちばん最初に行った「さきたま古墳群」。

そして、群馬県にある「保戸田古墳群」「綿貫観音山古墳」にも去年行きました。

そこで、数々の素晴らしい埴輪たちに出会いましたが、その埴輪の意味、埴輪が置かれている意味、埴輪の歴史など、全くもって無知だった自分。

ただただ、かわいい~!この人物埴輪、いい表情してんなあ、なんて、ほぼそれだけの感想で終わっていました。

いや、そんな感想を持っても、何も問題はないのです。

ただ、自分自身、かわいい~という思いだけで、古墳巡りをしているわけではなく、ちゃんと古墳時代の歴史、前方後円墳の歴史、古墳という、この日本という島国に、なんでこうも不思議な形をしたもの、それにわけのわからないくらい大きいもの、なんで、各地そんなものが存在しているのだろうか、みたいな、どうしてなんだろうと、知識欲というんでしょうかね?それについて学んでいると言ってもいいくらいなのに、無知の無知で、一昨年から古墳を見学していました(自分自身がね)

ということで、自分自身の勉強というか、本を読んでなるほど~と勉強になったことなどを、ここでメモ書き程度ですが、書いていこうと思いました。

『埴輪の始まり』埴輪の登場、前方後円墳に置かれる埴輪たち

埴輪と聞くと、やっぱり想像するのは、このブログになっているアイコンのような「人物埴輪」である。

埴輪が作られた時期は、3世紀中ごろから、7世紀前半ごろまでで、前方後円墳が作られていた時期とだいたい一致する。

日本で最古の前方後円墳といえば、奈良県にある「箸墓古墳」。

それまでは、方形周溝墓、円形周溝墓、方形周溝墓など、大きくても100メートル規模の墳丘墓が作られていたが、突如として、300メートル近くもある巨大な前方後円墳が作られるのである、これが箸墓古墳である。

この時代に、突如として現れた「箸墓古墳」ではあるが、古墳の墳丘斜面には「葺石」、そして墳頂部には「埴輪」が並べられた。

この箸墓古墳に置かれた埴輪たちは、以後の前方後円墳に引き継がれていくのである。

特殊器台から円筒埴輪へ

埴輪といっても、人物埴輪、動物の埴輪、家の形をした埴輪、船の形をした埴輪、甲冑埴輪、円筒埴輪などなど、種類豊富である。

こんなにも種類が豊富の埴輪だけど、いきなりすべての種類の埴輪が作られていったかといえばそうではなく、約350年、年代を通して、徐々に、種類豊富になっていくのである。

埴輪のルーツといえるものは、吉備にあり、この地域では、弥生時代中期に、王の葬礼や祭祀に用いるために飾り立てた壺と、それを恭しく高く揚げるための器台が出現する。

器台は、高杯のような形状をしていたが、弥生時代後期になると、その高さが増し、脚部が太く筒のように巨大化した。

本来の主役である壺も、連動して装飾度が増し、供物を収納するよりも、壮麗な壺を置くことのほうが優先されていった。

液体を入れる壺の本質的な機能を喪失して、あらかじめ底に、穴をあけた儀器に変わっていった。

そのうち、壺がなくなり、器台のみになり、器台も、裾開きの脚部が失われ、だんだん寸胴化していき、円筒埴輪といわれる埴輪へと変化していった(けっこう端折る)

箸墓古墳には、特殊器台と円筒埴輪の両者が頂上にともに存在するということは、古墳時代の始まりというのをよく表しているのである。

ルーツを知ると、見学する意味も違ってくる

特殊器台ってなんだろうと思われる方もいるかもしれませんが、私もまだ自分の目で(ナマで)見たことがなく、円筒埴輪になら、いろいろな古墳を巡ってきて、博物館などで、見てきました。

円筒埴輪と朝顔形埴輪
円筒埴輪

特殊器台などを見に行きたいと思っている博物館は、『岡山県古代吉備文化財センター』です。

そこで、特殊器台から円筒埴輪へ移り変わっていく過程が見学できるようなので、ぜひとも行きたい場所のひとつになっています。

埴輪というのは、古墳時代初期から、私たちがよく知る人物埴輪、動物埴輪など古墳の上に、ドーンと置かれる、というわけではなく、段階を経て、徐々に、私たちがよく知る埴輪へと変化とういか、種類豊富に増えていくのです。

少しずつですが、私が読んできた本の中から、メモ書きとして、ここに書いていけたらなと思います。

※メモの参考にした書籍

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