先日、NHKで放送されていた番組「ミステリアス古墳スペシャル」に出ていた古墳「綿貫観音山古墳」を見学してきました。
綿貫観音山古墳は、群馬県高崎市にある前方後円墳で、形の長さ約97m、墳丘9.6m、築造時期は6世紀後半とされています。
綿貫観音山古墳のすごいところは、横穴式石室から発見された、多くの副葬品にあります。
多くの副葬品がある理由は、石室が後世、全く盗掘などに遭遇しなかったことがあげられます。
まさに、奇跡?な古墳なのであります。
副葬品を所蔵している(一部)博物館は、群馬県立歴史博物館
私は車で群馬県立歴史博物館に行ったのですが、藤岡インターチェンジから1本道で、すぐ着きます。
群馬県立歴史博物館は、群馬の森中にあります(大きな公園内にあります)
>>アクセスは、群馬県立歴史博物館のサイトを参照してください。



公園内を歩いて行くと、近代美術館と歴史博物館が、隣同士に建っています。


この日は、雨が降ったり止んだり。
私が歴史博物館に到着したときは、雨は止んでいましたが、博物館から出てきたときには、雨が降っていて、本当は、綿貫観音山古墳に行って見学したかったのですが、雨のため断念しました。




群馬県立歴史博物館は、とてもキレイな博物館です。
展示室に入る扉がすべて自動ドアだったり、トイレも多く、エントランスは、天井が高く、とても開放感があるところでした。

綿貫観音山古墳の副葬品は、ほぼ国宝指定、そして群馬の古墳は、埴輪の宝庫
群馬県立歴史博物館の最初の展示は「綿貫観音山古墳の副葬品展示」から始まります。
綿貫観音山古墳の副葬品は、令和2年、国宝指定されました。


私が行ったことのある群馬県の古墳のひとつ「保戸田古墳群」も、大きな前方後円墳が3個、埴輪が多く発見されました。
綿貫観音山古墳も、多くの埴輪が発掘されています。
しかも、埴輪の完成度?が高く、いろいろな埴輪のポーズ(意味があるポーズ)が多くあります。




埴輪に付けられている装飾品を見ていると、とても細かく、当時の人々が、どういう服装をしていたか、参考になるところがあります。
常設展の展示にもありましたが、埴輪が着けている耳飾り。
とても大きく、存在感がありありです。

鈴付大帯は、後に出てくる副葬品にあるのですが、偉い人は(権力がある人)常に、鈴付大帯をつけていたのかな?と思いました。
現在ある鈴って、チリンチリンと音が鳴ります。
昔の鈴(この場合1200年くらい前だけど)も、同じくチリンチリンと音が鳴るのかな?と単純な疑問がわきました。
というか、鈴って、いまも昔も形が同じなんだなと、驚きます。


空から見た綿貫古墳群
群馬県立歴史博物館から1キロほどのところにある綿貫観音山古墳。
この日、晴れていたら、古墳を見学しに行きたかったです。

こちらには、綿貫観音山古墳の埴輪が置かれていた様子を復元した模型があります。






円筒埴輪と朝顔形埴輪、最大級の馬の埴輪と人物埴輪
祭礼場面の埴輪を見学したあと、円筒埴輪と馬の埴輪を見学しました。

埴輪って、いろいろな形が多くありまして、それをひとつひとつ見ていくと、本当に面白いものから、かわいいものまで、たくさんありますよね。
群馬県立歴史博物館に展示されている埴輪も、いろいろな人物埴輪や馬の埴輪、定番の円筒埴輪と朝顔形埴輪。
こちらの帽子型や鳥の形をした埴輪も、他の古墳から出土しているのか私にはわからないのですが、間違いなく、綿貫観音山古墳には、埴輪職人がいたと思います(当たり前だと思うけど)
埴輪の造形美というんでしょうか、かなり高度な技術を持った埴輪職人がいたいに違いありません。
江戸時代でいえば、なんとか組みたいな、埴輪組みたいな(良いネーミング)そういう集団がいたと思います。


古墳巡りをする上で楽しみのひとつに、それぞれの古墳にあった埴輪を比べていくのも、楽しみのひとつなのではないでしょうか。
そして、埴輪として欠かせない存在の「馬の埴輪」。
馬の埴輪って、こんなに大きなものだったのかと、群馬県立歴史博物館で初めて知りました。

馬の埴輪の埴輪の前には、質素な服を着た人物埴輪が置かれていたようです。

私は身長167センチくらいあるのですが、カメラを構えた目線と同じくらいに馬の頭があります。
古墳が築かれていた当時、こんなに大きな埴輪がいくつも焼き作られ、高さのある墳丘へと運び込まれ、その数多く並べられていた姿を想像すると、何度も書いていると思うのですが、圧巻だな、という言葉しか出てこないような気がします。
現代でも、そのような建築物が出来れば、たぶん、古墳時代の人たちと同じ感情が生まれてくるのではないかと思います。
でも、当時は、権力者、偉い人のお墓ですから、ただ単純に圧巻だなあ~なんて思わないと思いますが、でも、気持ち的には?同じ感情が生まれると思います(個人的にはそう思うんです)
埴輪鑑賞のポイントのひとつ、馬の埴輪の尻尾は短くてかわいい。

先ほどの人物埴輪でも、耳飾りや首飾り、服装や腕輪など、それぞれ見どころポイントがありました。
馬の埴輪も、豪華な馬具で着飾っているのがほとんどです。
綿貫観音山古墳の副葬品からも、豪華な馬具が出土しています。

馬の埴輪がある隣には、私とたいして身長(高さ)が、さほど変わらないんじゃないかっていうくらい大きな埴輪が展示してあります。

こんな大きな埴輪、初めて見たかもしれません。
というか、当時、このような大きな埴輪を作ることができる技術があっただなんて、いまから1200年ほど前といえども、高度な技術があったことを物語っているようです。
パンフなどにも書かれていましたが、当時の工芸技術の最高点というか、到達点に達していたものばかりが、綿貫観音山古墳の副葬品には多く見られるようです。
当時の権力者の力のすごさが、とてもよくわかります。


群馬県の古墳は、埴輪の宝庫。
保戸田古墳群の埴輪も個性的?というか、人物埴輪、動物埴輪、いろいろな埴輪が出土していました。
しかも、大きさ、作り、形などの技術は、当時としては最高だったのではないかと思ってしまうほどです。
では、次に、被葬者と一緒に置かれていた、副葬品を見学していきたいと思います。