ー縄文時代・弥生時代ー 入江貝塚・高砂貝塚(入江・高砂貝塚館)

【世界遺産】北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道編・入江・高砂貝塚)

次に行く縄文時代の遺跡は「入江・高砂貝塚」です。

入江・高砂貝塚は、縄文時代前期から晩期につくられた貝塚を伴う集落跡です。

地図上で見ると、北黄金貝塚から、上のほうに上がっていくような感じに見えますが、入江・高砂貝塚は、有珠山の近く(洞爺湖近く)にある遺跡になります。

2日目に遺跡へと行ったのですが、この日はあいにくの雨模様。

1日目の北黄金貝塚の晴天から一変、雨降りの中の遺跡見学となりました。

ちなみに、入江貝塚と高砂貝塚、そして、それぞれの遺跡からの出土品は「入江・高砂貝塚館」という博物館で見ることができます。

入江・高砂貝塚館へ出土品を見学しに行こう

噴火湾の高台にある「入江・高砂貝塚館(洞爺湖観光のサイト)」、2021年にオープンしたばかりの新しい建物でした(リニューアルオープン?)

ちなみに、入江・高砂貝塚館から歩いて、入江貝塚、高砂貝塚へ行くこともできます(ふたつの遺跡の真ん中にあるのが、入江・高砂貝塚館という感じです)

建物の外観を撮りたかったのですが、雨が降っていて、とりあえず建物へ走っていきました(笑)

いきなりのブレブレですみません。。。

ここ入江・高砂貝塚館では、他ではあまり見たことのない?(見たことないというか、自分自身、あまり博物館とかに行っていないだけだけど)ような、面白い出土品ばかりでした。

入江貝塚では、漁労で使われていたと思われる骨角器などが多く出土しているようで、特に銛頭が多く出土しています。

釣針
銛頭(かわいい感じですよね)

こちらは、北海道では手に入らない「イノシシ」の牙で作られた装身具です。

人の歯型のような形をしていて、とても面白いです。

イノシシの牙で作られた装身具

北海道では手に入らない貝製品も、出土しています。

貝の装飾品
貝製装飾品

こう見ていくと、縄文時代の人の行動力っていうんですかね?さまざまな場所を行き来したり、さまざまな場所と交易をしたりと、想像を超えた?アクティブ感が伝わってきます(意味不明的なコメント)

そして、縄文時代といえば「土偶」。

土偶もしっかりと出土しています(光の加減で、若干?不気味さみたいなのが出ていますが・・・)

高砂貝塚から出土した土偶
石器もの

入江・高砂貝塚といえば「入江式土器」でしょう!

貝塚から発掘された土器に「入江式土器」と名前がつけられています。

「入江式土器」の特徴は・・・

入江・高砂貝塚館での説明看板

「ポケット学芸員」の解説によると、

木の棒やヘラ状の工具で、土器の表面に模様が付けられています。昭和25年に入江貝塚で発見された当時は、このような特徴を持つ土器が他にはなかったことから、遺跡の名前をとって『入江式土器』と名付けられました。現在では、類似する土器は、東北北部まで広く分布することがわかっています。

スマホアプリ「ポケット学芸員」から引用

確かに、土器を見てみますと、一筆書きで描かれたような、迷路みたいな感じの模様が、土器に施されています。

全体図
迷路のように見えなくもないです
見たことのない面白い模様です
デザイン性抜群です
土器じゃないけど、どこかで見たことあるような

縄文人の銛漁

最後のほうの展示で、縄文人の人たちが実際に行っていたであろう「銛漁」を体験することができます。

銛を動物や魚などに刺し、引っこ抜くときに、銛が回転し、銛だけが動物などの身体に残り、そこからグイっと引き上げる、みたいな感じでした。

説明看板
銛頭
銛頭

漁によって、いろいろ使い分けていた、というのがわかります。

単式の釣針
結合式釣針

縄文時代の人たちも弱者を助けて生きてきた

入江貝塚のお墓から「筋萎縮症」にかかった男性の骨が見つかっています。

入江・高砂貝塚館の展示室で、いちばん最後に紹介されているのですが、展示されている骨は、たぶんプラスチックかなにかだと思います。

こちらの男性は、身体が不自由なまま、少なくとも数十年間にわたり介護を受けながら、長く生活してたとみられ、縄文人の人たちも、助け合いながら生活を営んでいたことをうかがい知ることができます。

入江貝塚は、縄文時代の後期において、共同の祭祀場や墓地を支えた周辺の集落の典型であり、沿岸地域における生業と精神生活の在り方を示す重要な遺跡です。

【番外編】博物館の2階にあがると・・・

2階もなにか展示しているようなので、上がって見てみました。

すると・・・

入江式土器が、けっこうどうどうと置かれているのですが・・・
こんな間近で、しかも密着している土器たち
触ろうと思えば触れちゃう感じ(本当はダメに決まっている)

倉庫かなにかかな?と思わせるような、見方によっては、けっこう無造作な感じに見えて、少し心配になりました。

入江・高砂貝塚館、ちょっと小さめの博物館でしたが、入江式土器には感動しました(地方にある小さな博物館という感じでした)

私的には、イノシシの牙で作られた装身具「歯型のような装身具」に、けっこう心奪われていましたね。

そして、雨の中、入江貝塚と高砂貝塚を、傘をさしながらひとり歩いて見学しに行きました。

入江貝塚と高砂貝塚

まずは、博物館のすぐ隣にある道路を左側に歩いていくと「高砂貝塚」が見えてきます。

こちらの近くには、駐車場があり、普通車3台だったかな?大型車(バスとか)が1台か2台ほど停められる感じでした。

高砂貝塚

中を歩きたかったのですが、風が強く、雨もひっきりなしに降るので、諦めました。

公園内の案内看板

「ポケット学芸員」によると・・・

高砂貝塚は、縄文時代後期から晩期につくられた貝塚です。入江貝塚から10メートルほど低い場所に位置しています。縄文時代も時代が下がると、寒冷化が進み、海が引いていきました。それを追って、入江貝塚から高砂貝塚へ移動したとも考えられてます。高砂貝塚からは、29期のお墓がみつかり、多くの人骨も残っていました。

「ポケット学芸員」から引用
中に行きたかった・・・

次に、友達の車で、入江貝塚へ行きました。

こちらに駐車場があるのかどうなのか不明です(たぶんない)

入江貝塚
カモメかな?たくさんいました(笑)

入江貝塚公園では、貝塚の剝ぎ取り展示室があるのですが、雨のため、カモメさんたちを見ただけで、車に戻りました。

竪穴建物が復元されたような建物も・・・

入江貝塚と高砂貝塚、雨のため、公園内に行けなかったのが、とても残念です。

しかし、入江式土器は、面白いです。

他にもどのような模様があるのか、北海道以外でも(東北北部でも)出土しているようなので、機会があれば、入江式土器、見学できればなあと思います。

※参考書籍(ポケット学芸員)

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